大阪にもあった驚異の主要地方道 怖道7号線
府道7号線といっても、大阪在住の方ですらピンとこないかも知れない。起点は枚方市の京阪交野線星ヶ丘駅南で R168 から分離する。終点は大和郡山市で、「枚方大和郡山線」が路線名称。大阪府区間はほんのわずかなのである。この府・県道は大阪側と奈良側の番号が一致しているので、特に意識せず r7 と書くことにする。
きっかけはネタ本にさせてもらっている「ぬけみち地図」で狭隘路と乗っていたのに興味を引かれたため。しかし、抜け道指定はしていなかった。ルート的にはすぐ西側を R168 が抜けており、昔は交互通行の悪路だったがトンネル開通とともに立派とまでは言えないがそれなりにまともな道路になっている。
さて、実走は奈良県側から行う。r7 の奈良県側は大部分が富雄川に沿うルートで、R163・r1(阪奈道路)・第二阪奈を結ぶ重要ルートだ。R163 高山大橋交差点を過ぎると道幅が狭くなってくる。2つめの信号で r65 を分けると次の信号で r7 は二股に分かれる。左がくろんど池自然公園(ブラックバス釣りなどで有名らしい)を経由し、右は庄田集落を抜ける。なお、くろんど池入り口から先は終日二輪車通禁路である。原付の私は右へ針路を取る。
集落を抜けて開けたところにでるとさきほど分かれた r7 の片割れが合流し、右に「枚方」とかかれた道が分岐する。この r7 も交野経由で枚方に出れるのだが、まともな人は針路を右にとるべし(後述)。
反対向きの車線にもこういう標示がある。
さて、このあたりで「この先二輪車通行禁止」の看板が表れる。土曜・日曜・祝日は終日、さらに7月から9月の夏期は平日も規制が行われる。どうやら過去ここで悪事をはたらいたアホどもがいたらしい。当然であるが、このレポートは平日昼間に行っている。気にせず先に進むと傍示集落で奈良県側最後の集落だ。ここまでは大型短尺の路線バスが入ってくる。緩やかな坂を上って行くと、突然切り通しの峠に出た。
大阪府道7号線のヘキサ(都道府県道標識)が左すみに隠れるように立っている。裏向けに立っている2本の規制標識が奈良県側の二輪車通禁を示している。補助標識にはそのややこしい規制期日が書かれている。ここから大阪方は急勾配になる。
ゴルフ場入り口をやりすごし最初のコーナーを曲がったあたりから「なんじゃこら!?」と思わせるひどい路面になる。簡易舗装の上に激しい凹凸(まあ正確には凹だけか)があり、避ける場所なんてどこにもない。しかも結構急な下り勾配である。筆者はちょっと油断してスピードを出してしまい、慌てて強めのブレーキをかけたところで前輪が窪みにはまってしまい、あわや転倒するところだった。幸い勝手に立ち直ってくれたので大怪我もせずに無事なわけだが、自分の運に感謝したことだ。
直角コーナーがあってその先小さな沢に沿ってさらに下って行く。写真はそのあたり。前方にステーションワゴンが走っているが、商用車で走るとサスペンションが固いからものすごい揺れだろう。場合によったら積み荷を壊してしまうかもしれない。
※補足: この取材の数ヶ月後、舗装工事のため大阪府側が全面通行止めになり改修されたとのことです。
しばらく下るとお約束のヘアピン区間が現れる。といっても 300mほどなのだが。それでも帰り道に運悪く軽トラックと普通乗用車が鉢合わせし、乗用車が上りをバックしていた。
写真をご覧の通り、この付近で道の脇にちょっとでも場所があると不法投棄の山である(これだけは r2 大阪中央環状線と共通しているかもしれない…)。R308 矢田丘陵越えでも見慣れてしまったが困ったものだ。
ただ、R308 や改良前の R168 よりいいのは、こういう離合区間がいくつか設けられている点。さきほどの乗用車もすぐ上にこの離合区間があったので、急坂とはいえ上って待避してくれたのだろう。峠入り口にあった幅員制限はこの離合区間を活かすための限界と考えればよさそうだ。
季節は春。耳をすませば野鳥のさえずりなども聞こえるのだが、運転しているこっちはそんな余裕はない。
これを見て頂ければどんな坂が続いているのか御理解いただけるだろう。そして…
「少しでも気を抜くとこうなる」という恐怖と常に背中合わせということだ。
このコーナーが激坂区間の終わりで、写真奥で気持ち勾配が緩くなっている。200mも走れば交野市の倉治集落の端にある墓地が見えてきて、一気に平坦な道路になる。この先、片町線(JR学研都市線)を越えて、なぜか1桁府道より立派な r736 に合流するところまでの区間もかなりヘナチョコなのだが、レポートはここまでにしておく。
※補足: r736 交点付近は第二京阪道の関連で拡幅工事が予定されているようだ。
大阪の主要地方道、それも1桁府道というと、r1 茨木摂津線(万博公園周回道路)や r2 大阪中央環状線などが思い浮かぶが、間違っても一緒にしてはいけない道路だ。R168の磐船神社付近がトンネルで改良された今、抜け道としての価値はない。それでも離合ポイントなどが設置されているのを見ると、かつてはそれなりに利用があったという想像もできる。
そして、さらにこの道の存在意義を薄くする道がある。それが奈良県側で書いた「枚方こっち」看板の道路だ。
付近の大きな地図は上のようになっている。下はくろんど池口付近の拡大図だ。
地図では信用できない白線で書かれているが、実走した結果、途中わずかにセンターラインのない区間があるもののほとんどが2車線あり、大型車でも安心して通行可能だ。穂谷では R307 に接続している。ただ、R307 津田・枚方市街方面は先日第二京阪の枚方北インターができた関係で混雑しそうな予感はある。こればっかりはここだけの問題ではないのでいかんともしがたい。
話をこの道路に戻す。実は、r7 の二股合流点から先、府県境あたりにかけて片側1車線の新道を建設中で、供用開始まであと少しといったところのようだ。地図の赤実線は適当に引いただけなので参考程度にしてほしい。赤点線が現道である。
近くにゴルフ場などの施設があるので極端に荒れることはないと思うが、ますます r7 のこの区間は影が薄くなるだろう。カーナビなどではどういう扱いを受けているのか気になる区間でもある。