2002年8月 四国

1日目 晴れのち曇り 夜一時雨

土曜日の勤務を終えて、ホテルを楽天で予約する。が、チェックイン時間を間違えていた。電話をかけると予約状況をワッチしていたようですぐに反応がある。前の金沢のときとはえらい違いだ。

西大寺からは京都行特急に乗り換え。京都駅烏丸口はあいかわらず人が多い。バス切符売り場が新しい建物内に移動していたのを知らなかったのでちょっと手間取ったが無事徳島行バスの乗車券を手に入れた。C席なので通路側である。バスチケットセンター内にあるパン屋さんでサンドウィッチを購入。バスは時刻表ではJR四国便だったが、徳島バスの1台が続行でついていて、乗客は徳島バスから乗って行く。それなら続行便の窓際から優先して売ってくれればいいのだが。

バスは予想通り大宮通りから九条通り、そして京都南インターから高速に入る。さすがに眠いので寝ることにしたが、どこまでいっても減速と大きなカーブを切る気配がない。気がつくと地下鉄御堂筋線の下をくぐっていた。あれれ? バスは西宮ICを出て阪神高速に入った。幸い渋滞情報は出ていないようだが解せない。すると神戸を過ぎて若宮付近から渋滞になった。須磨の料金所渋滞である。こんなふうにすぐ混雑する阪神高速を選ぶ理由が分からないし、それなら神戸か大阪から電車の方が確実だろう(特に上りは)。バスは垂水JCTからいつものとおり明石海峡大橋を渡る。仕方がないのでまた眠ることにした。 鳴門ICで運転手さんから「自家用車で利用の際、徳島市内へ向かわれる方はここで降りてください。この先直進すると板野に行ってしまいます。」という放送が流れた。

バスは一般道路へ出て徳島市街へ。朝早くのバスで行くとここの渋滞が心配だったのだが、今夕に関しては停滞はするもののひどくはない。ほぼ定刻で駅前に到着。やはり後方のJRバスはガラガラだったようだ。ホテルの場所はだいたい分かっているので歩き出した。新町川の公園はライトアップされていてきれいだ。ホテルは予想通り少しくたびれたビジネスホテルだ。

2日目 晴れ一時曇り

予定通りの時間に起床。チェックアウトすると、朝食サービスのゆで卵をどうぞとのことなのでありがたくいただいておく。この先の食糧状況が心配されるので、駅前のコンビニで弁当とお茶を購入。駅に歩くとほどほどの時間。切符は甲浦まで直通で買えた。跨線橋を渡ると冷房改造されたキハ47系2両がいる。日曜の早朝なので車内はガラガラだ。

阿南駅は駅舎の改築工事中だった。すれ違った列車はこれまで2両編成ばかりだったがここでは4両編成でホーム一杯である。ここまでだいたい対向列車が先に到着して待っていてくれたが、日和佐では10分以上の長時間停車となった。トイレに行ってみるが、先日の北海道・石狩月形の公衆トイレはりっぱだったのにこちらは悪臭がきつくて大変だ。駅前にバスの1台もいないかと思ったがまったく空振り。駅の裏口には徳島市バスらしい廃車体が置いてある。

日和佐駅

駅舎はきれいなのだが、駅前にバスはなく、タクシーが観光の頼りのようだ。日和佐駅にて。

海部で降りると、かつてはホーム1本だったが対向にホームが増設されて、そちらに阿佐海岸鉄道の単行レールバスが入って来た。時刻表には直通で上り特急になる便とその送りこみ以外は風鈴列車として運転と書かれているとおり、車内には風鈴やすだれが飾り付けられている。トンネルがほとんどなので風鈴の音が聞こえないのは少々残念だ。

風鈴列車の車内

車両中央部は椅子がソファーのようになっている。通常はこの車両が1日ほとんどの列車を担当しているらしい。

レールバスを降り、高架になっているので階段をくだったところに駅舎がある。その向こうにバス停が見えたので時刻を確認していると、売店のおばさんらしい人が「室戸に行くの? 今日は次の10時台のバスはないよ。」とびっくりする情報。たしかにバス停の時刻表には日曜祝日運休とある。しかし、JR時刻表の8月号にはどこにもそんな記述はない。同じようにカメラを持った旅行者風の男性も困った様子だ。それなら戻ろうかと思ったがもう折り返し宍喰行は出た後。次の室戸方面安芸行バスは2時間後だ。

ないものは仕方がない。それなら徳島バス南部が海部・牟岐方面へ戻るバスを運行している。幸い次は30分ほど後にバスが出る。待合室にこのバスの主要停留所の時刻を掲載した時刻表があり、牟岐までは戻れないが、海部で甲浦に戻る列車は捕まえられそうだ。しかし、阿佐海岸鉄道の時刻表を見ると、さっき宍喰行になった列車がもう少ししたら戻ってくるようだ。次のバスは宍喰駅を経由してくれて、5分ほどの接続で乗り継げそうである。海部は前に牟岐線に乗った時に降りているのでどうせなら違う駅の方がいい。ここまで調べた時点でバスの発車3分前だったが、運転手らしき男性は売店でおばちゃんと話しこんでいる。乗り継ぎ時間がないので冷や冷やしたが、少し時計が進んでいたのかも知れない。

駅に行く前に甲浦港の入り口を通過する。あとで宍喰から甲浦に戻った時にバスの時間まで余裕があるので駅から港まで歩くつもりだ。バスは国道から外れて旧道を進み、湾の最奥にある甲浦漁港を通った。狭い道で何人かの乗客を拾う。一度国道を通り越したバスは竹ヶ島へ寄り道する。バス運転手さんによればグラスボートとかが出ていて海がきれいだとか。今回はこんなスケジュールを組んだので見送らざるをえない。再び狭いつづら折れの道を進む。これがバス停のポールにあった「旧道経由」ということらしい。国道の橋の下をくぐったところが宍喰集落だった。甲浦は高知県なのだが、ここはまた徳島県で、県境の町なのである。宍喰の駅には結局定時刻に到着。駅はきらいだががらんとしており、地元の中学生が何人かいるだけだった。ホームへエレベーターで上がると、ディーゼルカーはエンジンを止めていた。発車3分前になって運転手さんがホームに上がって来た。エンジンをかけたので私も乗り込む。「甲浦ですよ」と念をおされる。

予想通り私1人をのせて宍喰を発車。ここは阿佐海岸鉄道の車庫がある駅だ。海部はJRの駅を半分借りているような状態。甲浦は駅舎はちゃんとしているもののホーム1本で社員が常駐している雰囲気はないので、ここが本社所在地なのだろうか。ディーゼルカーはすぐにまた甲浦へ到着。さきほど待合室でおしゃべりしていた高校生風の女の子2人や、優待切符をもらったのに乗る機会を逃していてというおばさんもホームにいる。この列車が折り返し今度は海部まで行くからだ。

待合室に寄って、さきほどの売店のおばさんに甲浦岸壁まで歩きますね、と声をかけたら「気を付けていってらっしゃい」と送り出してもらえた。駅から海岸方向へ歩くと室戸高校の甲浦分校がある。室戸高校はあとでバスで経由することになるが岬よりもさらに安芸よりだから相当離れている。近くの堀ではマガモの一家がにぎにぎしく泳いでいる。

マガモ一家

甲浦駅から海岸へ向かう途中の用水路に放されていたマガモらしい一家。にぎやかに水路を泳いでいた。橋の上から撮影。

都会のように込み合っていない商店街を抜けて、さきほどバスで山方向へ向かったのと逆に川の対岸を歩く。日曜市の看板が上がっているのがさきほどバスから見えていたのだ。日曜だからこその寄り道だ。売り物は土地の野菜や花木が中心らしいが、もうすぐ正午ということもありみな閉店準備している。

さきほどバスからみた交差点に立つと、すぐそこと思っていた港はまだ先らしい。看板には 500m だったかの数字が見える。幸い急な坂もなく、カーブの先に荷物の積み下ろしをしている船が見えた。8月の時刻表でも描かれている通り、高知−那智−東京間の航路はここ甲浦を経由しなくなった。たしか定期航路はなくなっているはずである。港だから食堂の1つや2つと思ったがどうもそれは甘いようで、ダイビング関係の店ばかりだった。やっと1つ喫茶店を見つけて落ち着く。マスターにここに来る途中に止まっていたバスが室戸行であることを確認しておく。

熱いカレーを大慌てで流しこんでバス停に向かった。今度こそおいていかれたら先には進めないだろう。ちょうど運転手が上着を脱いだ姿でクーラーを効かせるためかエンジンをかけたところだった。「まだ時間があるけど」ということなので「じゃ、その辺で待ってます。」と答えたら「ひなたやったら暑いやろ。まだクーラーが効いてないけど、それでもよかったら」とドアを開けてくれた。

岸壁乗車は私一人で、さっきの道を駅へ引き返す。途中で牟岐行の徳島バス南部とすれ違った。駅ではさきほどみかけた旅行者風の男性も乗って来た。バスは国道に戻って南を目指す。野根からは異常気象時交通規制の区間に入り、先日の襟裳岬ほどではないにせよ、荒々しい岩が落ち込む海岸線を進む。あまり地理的に大きな変化がないまま室戸岬へ。ここからはすでに通ったことのある区間だが、バスは旧道に入って集落に立ち寄る。その途中に室戸営業所があった。トイレを利用する方はどうぞ、との案内だ。

さらに進んで国道と合流するとT字路になった。高知方面は左なのだが、バスには室戸高校経由と張り紙がしてあり、車は右折した。ほとんどまっすぐの道を走って室戸高校そばの運送会社のところで転回。ジャージ姿の高校生を1人乗せる。この先道は曲がっていて、どこの峠を越えるのかと思っていたら、地図をみるとすぐに半島の反対側に出てしまうようだ。

さっき着た道を戻り、再び高知方面へ進む。かなりのハイペースで走るので交通の邪魔にはなっていないが、ときどき旧道に寄るので飛ばしている車もストレスなく走れているだろう。奈半利町役場などの文字が見え始めるとそわそわしてきた。どうやら市街地を通り過ぎた先が駅のようだ。真新しい高架の建物につくとかなりの人込みである。エレベータでホームに上がるとちょうど上り列車の改札が始まろうかというところだった。高知までの切符を買って中に入るとJR四国のディーゼルカーが止まっている。相互乗り入れだからなのだろう。クロスシートはもう埋まっているのでドアそばのロングシートに腰掛けた。駅の建物を見にいくと喫茶店などが入っていてメニューもそれなりにありそうだ。これが開業景気だけではなく定着してくれれば駅が荒れずにすむのでがんばってもらいたいところだ。

奈半利駅

乗り継ぎの時間がなくて駅舎の写真すら撮ることができなかった。混雑している車内から駅を眺める。

車内は次から次へと乗車があり、安芸では相当な立ち客がでている。ここから快速になって後免を目指す。もう反対側の席すら見えないすごい混雑で終点へ。ほとんどの人は高知まで乗りとおすようだ。高知駅高架工事の関係で移転した高知運転区などを眺めて久しぶりの高知駅へ。隣のホーム前方には高知始発の特急「あしずり」がとまっているが、パスしてその後方にいるキハ32の普通列車に乗った。高知市街地の続きである朝倉で降りてみる。まわりには高知大学の教育学部と付属学校の存続を求める看板が多い。

バス停を探すと、ちょうど高知県交通バスがくるようだ。期待通り途中で電車を追い抜いてはりまや橋手前の見覚えのある公園の前で下車。高知駅に急ぐと20分ほどの待ち合わせで高速バス松山行があるらしい。到着は8時前くらいになりそうだ。食事をする時間がないのが残念だが特急に乗っていると1時間以上遅くなるのでこれ以外の選択肢はない。高知駅前にまっすぐ乗り入れるようになった土佐電鉄などを眺めてからバスに乗り込んだ。

バスはJR四国便。そういえばさっき堺町で国道経由の松山行特急が走り去っていくのをみた。高速バスに乗客がシフトしたため国道経由はこの8月末で廃止が決定しているようだ。何度も利用した思い出深い路線なので残念である。もう少し早く気付いていれば乗っていたかも知れない。バスははりまや橋を経由し、少し先で左折。高知ICから高速道路に入った。三島川之江ICで乗降客があり停車。あとは松山ICまで降車客がなかった。

JR松山駅で降りてホテルにチェックイン。

3日目 晴れ

ラッシュがすっかり終わったあとチェックアウトして路面電車の駅へ。松山市から横河原行電車に乗り込む。横河原で降りて前と同じように伊予銀行で現金を補充し付近をぶらぶら。国道旧道のバス停を見つけた。川内行伊予鉄バスは女性運転手の日野大型車だった。ものの15分ほどで川内市街を少し通り越した営業所が終点。瀬戸内運輸便の特急新居浜行は約30分待ち合わせ。近くのスーパーで弁当を買って待合所でたいらげた。

新居浜特急便は峠を越えて東予地域へ。終点まで乗ってしまうと今治まで手戻りになるので、今治方面乗り換えの放送が流れた小松町役場前で下車。時刻表によれば5分ほどで今治行が接続している。この1本前の新居浜特急だと接続便は周桑営業所までの区間便だったから結局同じか。近くにはせとうち周桑バスと書かれた車が止まっており、地域分社されているようだ。今治行きは三菱のワンステップ中型車。今治小松道路に沿って北上するが線路からはちょっと離れている。今治手前で道の駅と温泉の文字が見えて誘われるが我慢して駅まで乗りとおした。新尾道行バスは出たところのようだが、30分ほどで福山行がくるとのこと。窓口で切符を買っておく。

今治バスターミナルでまっていると先に瀬戸田方面の区間便が入って来て、つづいてめざす福山行がやってきた。前の席はとり損ねたがしかたがない。今治北ICから高速道路に入る。来島海峡大橋はかなりの高さだ。一部やはり高速道路が繋がっていない区間がある。福山市内で国道が少し渋滞したもののなんとか到着。

来島海峡大橋

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