2004年2月 九州

枕崎駅到着

【1日目】

仕事が終わったのが 18:30。三ノ宮発が 20:55 で実に中途半端な時間がある。ともかくJRで六甲道へ。昔よく通った定食屋で夕食にした。36系統の回送車が石屋川に入っていった。それも日野のブルリシティで純正ボディ。かつては魚崎の三菱車しかいなかった地域なのだが変われば変わるものだ。近所の銭湯でひと浴びする。

六甲道に歩いて戻る。今度は91系統でも日野車と日産ディーゼル車。交通局番号のつけかたも以前のようにシャシーメーカー別ではなくなっているらしい。駅前に戻るともう高架下も周りの店も閉店。神戸の夜は早い。下り快速に乗ると3分程度の遅れのようだ。こんな時間に下りの快速から降りるのは初めての元町で荷物を回収し近くのコンビニで少々買い物をして三ノ宮へ。定期で三ノ宮に来たので一度出場しないと次回が面倒。めざす寝台特急はなんと新快速の4分後。新快速の停車駅が増えているせいらしい。

ソロは三ノ宮時点で3・4割程度の乗車率のようだ。週末というのに意外と少ない。割り当てられた個室は上段であるが、荷物のせいで出入りが面倒。次回こそ下段を指定でとりたいものだ。こちらは三ノ宮を出ると次は姫路まで無停車だが、前の新快速は追い抜かないので、神戸や加古川・姫路では少々頭がつかえる。それでも向こうは最高速度の差で逃げ切るダイヤになっているようだ。姫路はさほどでもないが、岡山で結構乗車があったようだ。ここまでにして寝ることにした。

【2日目】

関門海峡トンネルを潜っているのと、博多停車は覚えていた。熊本到着前のおはよう放送が入ったので、着替えて熊本駅ホームに降り立つ。「なは」は3月改正から熊本止になるので、別れを惜しむファンの姿もちらほら。新八代の在来線連絡線は贅沢にも複線でもうほぼ完成しているが、在来線側は普通列車用の短いホームだけ。燕三条のような状態になるのだろうか。「なは」も熊本ではなく八代まで延長して新八代接続にしてもらえると嬉しいのだが。

有明海の干潟

八代以南をじっくり眺めるのは久しぶりだが、海がなかなか綺麗だった。しかし眠いので川内を過ぎると寝てしまう。伊集院到着でちゃんと着替えて西鹿児島に降り立った。

西鹿児島駅

よく考えれば、新幹線が開業すると西鹿児島発着の夜行列車もなくなることになる。駅前ではイベントの準備真っ最中。食べ物を売る店もあるようなので時間があれば後で立ち寄ることにして駅前でバスを撮影。しかしあまり数がないので、市電で天文館へ移動する。こちらではかなりバスが撮影できたので、適当にやってきた南国交通のバスで西駅に戻るが、駅前は工事の関係でかなり渋滞しているので結局時間ギリギリになり、慌てて0番線の山川行快速に乗り込んだ。よく晴れた錦江湾を眺めて進む。地図で見ていたとおり、内陸側は結構な山岳地帯である。喜入では菜の花に囲まれて交換待ち。指宿までは退屈しない道中だった。

喜入駅

指宿の駅に降り立って深呼吸。短い時間ではあるが、旅に出ている気持ちになってきた。駅は改装工事をしているらしい。駅前にバス停ポールがあるものの適当なバスはないようで、タクシーで砂楽へ送ってもらう。「砂楽」とは指宿名物の砂蒸しを立ち寄りの湯で楽しめる場所。土日・祝日は大丈夫なのだが、平日は昼の12時から1時まで従業員の休憩(この間は砂蒸しで砂をかけてくれる人がいない)があるらしいので要注意だ。浴衣とタオルを貸してくれるので、脱衣所で浴衣に着替えて海岸へ。砂浜にテントがあってその下にある砂場に入る。もうすでに掘り下げられた場所があるので適当に場所をえらぶと従業員の方が砂をかけてくれる。思ったより暑いわけではなく、じんわり暖かさが伝わり気持ちがよい。ただし、場内には「後からくる」と断り書きもあることだし、10分ほどで出て普通の風呂で頭を洗う。急いで外に出るとなんとか58分発のバスに間に合った。結構な強風である。

開聞岳

駅前に戻って来たものの、弁当を売ってそうな店は駅前に見当たらず。ゲソの干物だけ手に入れて枕崎行に乗り込んだ。快速は新型キハ200系だったが、こちらは冷房改造したキハ47系2両編成だ。開聞岳や大野岳を眺めて穏やかに進む。定刻に終点枕崎に到着した。これでJR全線完乗である。

枕崎駅は駅舎があり売店まで開いているがこれは鹿児島交通の建物なので、JRとしてはホームだけの無人駅である。周りは鹿児島交通のバス・タクシーの車庫と化しているが、これは鹿児島交通の鉄道線があったときからずっと一緒なのだろう。乗ってきたディーゼルカーは高校生を乗せて折り返していった。

枕崎駅

さきほどの事務所で鹿児島空港行の乗り場と、鹿児島空港からの熊本行高速バスの予約が可能か尋ねるが、高速バスは別会社なので、と電話番号を教えてもらい携帯で予約。枕崎からのバスは時刻表にもあるとおり、伊集院行と西鹿児島行と空港行が立て続けに発車する。空港行に乗り込んだところ「乗車券は持っておられますか?」とのこと。だったらさっきの案内所で切符を買う旨言ってくれれば2度手間にならずにすむのだが。

バスは駅前を出て北上する。加世田の先、伊作までは旧鹿児島交通線のルートを辿る。しかし車窓を見た限りでは廃線跡はなかなか見つからない。加世田のバスターミナルは予想通り駅跡をそのまま利用していて、ここで15名ほど乗車がある。伊作で R270 と別れて県道に入り、谷山から指宿スカイライン、そのまま鹿児島インターから九州道に入った。鹿児島空港到着。残念ながらバス乗り場付近にはカフェスタンドのような飲食施設は見当たらないので、ベンチで枕崎駅の売店で買った弁当を開いた。

熊本行はかなり遅れて着車。乗車率は5割といったところか。座席は見通しの効かない席で最悪である。加久藤トンネルまではなんとか外が見えたが、人吉はもうほとんど闇の中。人吉からも結構な乗車があり驚く。交通センターに到着したが、毎回ここは方向感覚がおかしくなる。タクシー運転手に脱出方法を教えてもらった。ホテルにチェックインして前のラーメン屋へ向う。チャーハンの最初1口はうまいと思ったのだが、量が多くてちょっと大変。半分サイズのチャーハンを用意するなら各メニューごとにこのサービスをしてくれればいいのに。

【3日目】

7時過ぎに起き出したがまだ眠い。チェックアウトは8時過ぎ。熊本駅へバスで向う。ちょうど普通の銀水行がすぐ出るようなので普通乗車券だけで改札をくぐって2番線へ。大会でもあるのか中学生の団体がいて騒がしい。しかし彼らは上熊本で降りて、さらに学生団体が熊本工業大学で降りたのであとはすっかり静かになってしまった。しかし静かになりすぎて気が着くともう降りるはずの荒尾発車後。仕方なく大牟田まで行くが、その途中で明らかに熊本方面行の普通電車とすれ違った。大牟田に着いて確認するとやはり30分後しかない。うどん屋で朝食代わりにしようと思ったら、キムチ入りスタミナうどんの文字があったのでモノは試し。値段ほどということはないが、やはり九州、一定水準以上のうどんで安心した。

1番線でしばし待っていると、さきほども上りの快速が折り返したところなのにまた大牟田止めの快速がやってきて方向幕を「門司港」にしている。2番線に入らず1番線に入ったのでおや?っと思っていたらそのまま下り方向へ走り出した。入れ替えだと思っていたのだが、あとで荒尾に着くと側線に止まっている。だったら真面目に方向幕を「回送」にしろよ…。

その後また下り普通電車が入って来たが、今度は2番線だ。あれ?八代行ではないか。折りしも改札口でおばさん相手に駅員が「八代行は2番線ですよ」と言っている。私も2番線へ移動となった。先頭の席に座ってしばらくするときょろきょろしながらさっきのおばさんが「特急はどこですか?」と保線係員に尋ねている。最初改札にいた人とは別人だと思っていたので、小倉行有明に乗るものだと思っていたら、熊本へ行くらしい。係員が「どこ行くの?熊本?だったら1番だよ。あ、もう来たわ。」ちょうどその時1番線に水前寺行有明が到着。おばさんは「2番線って聞いたのに」と憤まんやるかたなさそうだ。もう一度保線係員に「この電車、熊本へ行きます?」と聞いて、「この切符は特急用ですか?」と尋ねている。自分が買った切符が分からないというのは恐るべしだ。おそらく、改札係員はおばさんが特急券を持たずに乗車券だけで熊本へ行く列車を尋ねたものだから、2番線の普通を案内したのだろう。おばさんは当然憤まんやるかたなしだが、改札係員氏の非とまで言えるかどうか微妙なところだ。

荒尾に着いた。駅前は心配していた通りがらんとしている。だが時刻表を眺めるとすぐにバスが来るらしい。駅前を散歩すると、荒尾市営ではなく、西鉄バス大牟田の営業所があり、バスの本数も西鉄の方が多いようだ。地元の面目なしである。駅に戻るとちょうど特急が着いていた。切符を大阪市内まで買おうと思ったのだが昨日から手持ちの現金を全く補充していないことに気付いた。ともかく切符は春日まで買って、荒尾始発の快速に乗る。その間にけしからん行先表示の「門司港」行は側線から大牟田方面へ出て行った。時刻表を見るとあの門司港行は快速区間が短いので、荒尾始発の私が乗る快速に瀬高で抜かれるらしい。複雑なダイヤだ。

戻る