奈良交通の小型車両たち (日野編1)


日野CH
(奈良22 き・・18号車 日野P-CH160AA改 郡山営業所所属 2001/ 1/ 8 JR奈良駅前にて)

1989年に開催された「奈良シルクロード博覧会」に向けて 1988年に8台が製造された特殊な車両。後部はオープンデッキになっており、冬はFRPの覆いを取り付けられるようになっている。博覧会終了後は三条川崎町−三笠温泉郷・若草山頂系統などで細々と定期運用を持っていたほか、波動用として活躍していた。現在は阪奈道路線にも姿を見せる。この18号車は最近まで橿原営業所(現在は廃止)配置に変更されていたが、写真の「ならまち100円バス」運行を機に再び奈良市内に戻って来ている。

CH シリーズ(特別仕様車両)

上記のとおり、もとは博覧会向けの特別車両で、なんでも奈良交通と日野自動車が共同開発したとか。しかし特殊な装備が仇となり座席定員が少ないことや乗降しずらいこと(バリアフリー対策が難しい)、また清掃が大変なこと、さらに乗車口がスイングドアで傷みが激しいことから比較的長く車両を使う奈良交通にしては短命だったといえよう。

CH29号車

2001年11月から季節運転に格下げになった若草山頂線を走る29号車。2002年3月に廃車との情報が流れている。シルクロード博覧会終了後は主にこの若草山頂線が定期仕業の場になっていた。若草山頂にて。

CH32号車

運用見直しにより、2000年頃から阪奈道路線の一部にも充当され、ロングランするようになった。シルクロード博覧会当時もシャトルバス的運用が多く、臨時バスとして飛鳥で出稼ぎしている時を別にすれば、定期運用でロングランを持つのは当時珍しかった。奈良市庁前にて。

CH41号車

CH には赤(ピンク)系統の塗色と、この青(水色)系統の塗色の大きく2種類が存在した。写真は若草山頂線の区間便に充当されている姿だが、これ以外に日曜祝日などの「JR奈良駅−近鉄奈良駅−春日大社本殿」系統にもよく運用されていた。JR奈良駅にて。


日野RH
(奈良22 き・467号車 日野U-RH1WFBA 郡山営業所所属(平城運用車) 1999春ごろ撮影 山田川にて)

正確にはエヌシーバスの奈良交通からの委託運行を担当する車両ということらしい。一時期老朽化したいすゞの中型車やマイクロ車の代替に奈良県北部地区に集中導入された車両。現在はいすゞのエルガ・ミオに取ってかわられ、中南部に活躍の場を移している。前面上部についているサイレンのようなものは、自由乗降区間を知らせるための外部スピーカー。

日野RH
(奈良22 き・480号車 日野U-RH1WFBA 葛城営業所 2004年6月ごろ撮影 辯天宗本部にて)

同じ時期に葛城営業所に導入された RH には(おそらく)導入当初から外部スピーカーが取り付けられていなかった。以後、RHも含め外部スピーカーは姿を消すことになった。


627号車
(奈良22 き・632号車 日野U-RH1WFBA 葛城営業所所属 2006年5月ごろ撮影 近鉄八木駅にて)

すでに後述する RX の導入も始まっていたが、運用上の都合なのか、輸送力の問題なのか、RH の導入も平行して行われていた。ご覧の通りラッピング広告車両も登場している。

日野RH
(奈良200 か・・31号車 日野KC-RH4JEAA 奈良営業所所属 2016年1月ごろ撮影 近鉄郡山駅にて)

もとはエヌシーバスとして導入された車両だったが、2007年に30号車とともに奈良交通に転籍した車両。エヌシーバス導入当時からナンバーは大型登録されていた。

日野RX
(奈良22 き・545号車 日野KC-RX4JFAA 吉野営業所所属 1999年6月ごろ撮影 大淀バスセンターにて)

吉野地区で活躍するマイクロ車両。いすゞDBRや中型BAなどを淘汰した。現在吉野地区の路線バスはほとんどがマイクロ車両になった感がある。2001年夏には北部にも進出しはじめた。

日野RX
(奈良200 あ・・13号車 日野KK-RX4JFAA 吉野営業所所属 2006年5月撮影 八木駅北口にて)

こちらは山間路線向けトップドア車両。比較的長距離の路線で座席定員確保のために製造されたようだ。なおこの時期の吉野への投入車両は小型登録されている車両が多い。

日野RX
(奈良200 か・175号車 日野KK-RX4JFAA 平城営業所所属 2002年11月撮影 加茂駅北口にて)

奈良県北部にも少数だがこの時期までに RX が投入されている。写真はすっかり寂しくなってしまった加茂駅からの国道163号線を行くバス。のち全線廃止となった。


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