謎の支線が多数 奈良r30 御所香芝線 (前編)

取材:2006年2月

奈良r30 は R24 の山麓をバイパスするような路線で、南の r261 と繋いで走れば五條市から香芝市のR165まで一気に市街地を避けて走ることができる快走路である。今回紹介するのはそのメインルート(本稿では便宜上「本線」と書くことにする)以外に迂回路が多数県道指定されている。しかしバイパスが完成したあとの旧道がまだ残っているといったケースとは明らかに違う。その迂回路の実態を紹介したい。レポートは起点側から行う。

御所市東佐味 ここはr30起点。背中には R24 が通っている。で、起点から早々に枝線が分岐する。写真右隅に私の原チャリがおいてあるが、あの方向に支線がある。が…。取材当日は道路工事のため通行止。

御所市東佐味 これがその迂回路が戻ってきて本線に合流する地点。舗装を剥がして工事しているので歩行者でも通行不能。まあ、わざわざ行かなくても住宅の間を抜けていることぐらいは分かる。

御所市東佐味 山麓へ向かって駆け上がるS字コーナーの途中に三叉路がある。直進がr30本線だが、右手に分岐するのもr30である。

この写真を撮ろうと停車したところ、車に乗った年配のご夫婦がやってきて「かもきみの湯はどういったらいいんでしょうか」とのお尋ね。車ならこのへんから10分もあれば着くだろう。施設が新しいのに公営で安く私もお薦めの湯である。ただし筆者はこの日は後行程の都合で別の温泉に入ったのであるが。

御所市大字鴨神 交通量の少ない直線路を行くとつきあたりに高鴨神社がある。公式Webページの由来の解説によれば、この地に拠っていた豪族鴨氏が祭った社であるとか。本殿は国指定の重文でもちろん式内社である。こういう由緒の古い神社が脇道になにげなく建つのは奈良の特徴である。

上記リンクの公式ページを読むと、大和朝廷を成立させた政権がこの周辺の統一王座決定戦でチャンピオン…という言い方がくだけすぎなら「畿内平定」後、鴨氏の政治的な勢力は衰えたとある。ただそれは、たとえば戦国末期大坂の役の後の豊臣氏のような、根絶やしにするような征伐ではなく、多少の戦闘はあったかも知れないが降伏して服従を誓った程度ですんだのであろう。だからこそ全国に鴨・加茂・賀茂と名のつくところが点在しているのだ。そもそも「家」とか「血筋」とかいうのが持て囃されるのは近世の封建制か、もう少し遡るなら平安期の貴族階級である。飛鳥期以前のこの時代では「鴨氏」といってもそのあたりに住む人の総称ぐらいの意味だったに違いない。

考えてみれば、豪族由来の地名というのは奈良には多い。鴨氏は御所市の大字くらいにしか名が残っていないが、知っている限りでも巨勢(今の御所市付近?)・葛城・物部(今の橿原市付近)・初瀬(あるいは長谷。今の桜井市付近)・斑鳩・平群・狛(あるいは高麗・駒。今の精華・木津町や京田辺市)など数多い(もちろん未だに確証のないものも多いが)。

面白いのは、上で挙げた地名はだいたい川が近くにある。縄文後期から弥生時代にかけて始まった稲作が当時どれだけの中心産業だったかの傍証とも言えよう。


御所市大字鴨神 それはともかく、神社前にこんな看板が。ここも一応御所香芝線なのだが…。

御所市大字鴨神 神社と池を避けて進むとヘアピンになる。その先には高い橋で渡る本線の姿。こちらもセンターラインくらいはあるが格差を感じる。

御所市大字伏見 そんな道だが、御所市のコミュニティバスはむしろ集落をこまめに立ち寄っている。

御所市西北窪 集落のうねうね道をいくと最後はストレートになって本線に合流。

御所市西北窪 本線の葛城寄りから分岐を見た様子。いかにも旧道然と分岐していくが、本線はいわゆるバイパスとはちょっと違う気がする。

御所市極楽寺 さっきの地点から500mほど。アップダウンがあるので見とおすことはできないが、皮肉にもヘキサの手前からまた支線が分岐する。

御所市南郷 果樹園を抜けると眼下に御所市街が広がっている。

御所市南郷 右手に住吉神社が現れるとその前で左折する。

御所市南郷 このあたり(さっきの高鴨神社のあたりもそうだろうが)葛城古道に沿っているということで、近畿自然歩道の案内標がある。が、その隣にはまだ新しそうな石柱が倒れたままになっている。整備しなおしにしてももうちょっと何とかならんものか。

御所市南郷 住吉神社から700mほどだろうか。小さな川を渡って下りにかかるところを道なり右へ。ちょっと戸惑うかも知れない。

御所市南郷 同じ場所から東を見るとR24が通っている場所は葛城川の谷になっていて、向かいに御所工業団地。あの向こう側にr215が通じている。

御所市井戸 突然道幅が狭くなって井戸地区の集落を下って行く。

御所市井戸 井戸会館という公民館のような建物を過ぎると左折して自動販売機の並んでいる方向へ進む。当然のように標識などはない。

御所市増 再び上りになり、上りきったところで本線にぶつかる。

御所市増 本線には井戸地区への入り口であることが控えめに表示されていた。


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