急坂険道 奈良r192 福住横田線
2003年4月 調査走行
2003年5月 一部区間走行
確か県道会(リンクのページ参照)のWebページだったと思うが、奈良の険道代表ということで紹介されていた。福住からの狭い道というとみんな判で押したように非名阪R25(天理ダム経由)を思い付くのだが、確かにこの道はそのWebページを読むまで存在を知らなかった。私の周囲では1人だけ、名阪五ヶ谷の近く在住という知人だけ「ああ、岩屋へ出る道?」と答えたのみだった。
【アプローチ】
さて、この道。以前に一度榛原から「ぬけみち地図」にも乗っている広域農道を使って福住に出て実装調査しようと思ったら「舗装の張り替え工事で通行止」だった。警備員に聞いても迂回路なし。目の前(いや、目の横?)を通っている名阪国道は自動車専用道なので原付では通ることができず、r187 を目指すも「自動車通行禁止」の看板にひるみ、結局 r186 → r80 で帰ったのだが、この r186(福住矢田原線。矢田原は r80 奈良名張線との交差点付近の地名)がダンプのたまり場で舗装が荒れまくり。ダンプが落して行く泥や砂でまるでダート状態だったのに懲りた。
今回もアプローチは奈良市内からなので最初は r80 にならざるを得ないが、上りで r186 のダート区間を走るのが嫌だったので、遠回りだが r47 経由で福住に向かった。田原の交差点を右折してしばらくすると分かりにくい標識が現れて、前を走るワンボックスは右に、私は標識が県道を示している(ように思えた)左に針路を取った。右に分かれて行った道には道路工事の看板が。やな予感がしたのだが当たっていたのだろうか。結局地図でみれば右にとった方が距離的には近かったのだが…。
r47 の一台峠は主要地方道にしては貧弱だが、そこら辺の峠道程度で特に悪路ということはない。ガードレールもちゃんとある。迷走国道 R369 にちょっとだけ触れてすぐにまだ方向を変え、山田町地区はかなり整備された快適な道路。それも束の間、非名阪 R25 と合流すると集落に入って道が狭くなる。県道の方が道が立派というのは奈良の縮図だ。
r192 の起点は名阪福住インターと非名阪R25の交差点。奈良方から名阪国道を出ると正面が r192 なのだが、標識は一切ない。私も立ち止まって思わず地図を確認したほどだ。
ところが、後日走行したところ、非名阪R25上野方から天理方に向かって走行すると案内標識が出ていた。
確かに非名阪R25の行き先に「天理」と書きづらいのは分からなくもない(でも名阪ガードの所の案内標識は「天理」になっていた)が、「桜井」はちょっと…。ひょっとして天理ダムから3ケタ険道 r247 を走れとでも言うのか? これから向かうわが r192 も天理市に行くのだが、書くわけにいかないので名無し。「幅員狭小」と注が振ってある。
すぐ先に運送会社の倉庫や生コン屋さんがあり、信じられないほど貧弱なガードで名阪国道をくぐる。
ガードの先はT字路で、右(西)に向かう。名阪国道に沿って走り始める。
もうすでに1.1車線しかない狭い道を 200m ほど進むと分岐がある。県道は右なのだが標識などない。椎茸かなにかの原木が置いてあった。この付近の農家の方が栽培しているのだろう。
見ての通り、このあたりから舗装がアスファルトからコンクリに変わる。激坂の予感である。
さっきの分岐を左に進んだところ r192 の福住方に向かって撮影している。左の木立の向こうはすぐに名阪国道になっている。
ここをすぎると、スギ木立の中を進む。花粉症の私はとたんに喉の痛みを感じ始めた。しまった、薬を飲んでくるのを忘れた。
狭いだけで激坂のないまま(本当にないのならいいんだが)小さい道を分ける。ここから下りになるのでこの辺りが「桜峠」らしい。趣きに欠ける峠だ。初回走行時にはどこが峠かまったく気付かなかった。
ヘアピンカーブを過ぎて少し坂を上るとまた名阪国道に沿って走る。今度はガードレールのすぐ横である。これが県道会で「名阪国道の管理道のよう」と言わしめた場所だろう。
ところが、ガードレールと離れると一気に下り始める。それはいいのだが、急な下りの先にガードレールがないのはどうにかしてほしい。見ればお分かりだと思うが、左は谷である。落ちれば痛いだろう(それだけですむわけなし)。右にカーブを曲がると上に名阪国道が見えて、一瞬でこれだけ高低差がついたのかと少々驚く。
さらに、コンクリート舗装のまま道を下って行く。この急勾配に沿って高圧電線が立っているが、あちらは勾配に強いみたいだ。こっちの道路はコンクリート舗装なので、強い雨が降るとたぶん川のような状態になるのではないだろうか。
見通しがよくなったかと思って油断すると、またもガードレールのない急カーブ。夜間なら「道はどこ?」状態になるのではなかろうか。
この下に砂防ダムがあり、県道は脇からその堤をよけて通る。
この砂防ダムのあたりが、逆方向(天理から福住)で走る時に少し分かりにくい。小さな看板が立っているが、右に曲がって橋を渡るのが険道である。上にもう1つ砂防ダムが見えているが、あの下を通過する。
ほどなく、さきほど去って行った名阪国道が戻って来て交差する。五ヶ谷インターの少し天理寄りの(事故と速度取締で)有名なヘアピンカーブのところだ。険道は右手へ進みガードをくぐる(これが、登坂車線があるからか真っ暗なのに結構長い)が、左に道が分かれていった。私は最初まちがえて左に行ったのだが、地図では天理東ICまで行けそうなのに、名阪国道に添うところで舗装がなくなってしまい、その先は断念した。
左手に合計5車線の自動車専用道路を見ながら、こちらはガードレールもない農道もどきの険道を行く。
少し山がせりだしているが、あの先が岩屋集落になる。激坂区間はもう終わりだ。
撮影した場所は、米谷地区へ抜ける市道(たぶん)。ここは r192 より厳しい激坂路で、あの県道と同じレベルから一気にかけ上がって名阪国道を陸橋でオーバーパスするのだ。
こんな看板が現れた。ひょっとして天理東から直接名阪国道へ乗せられてしまうのか、と思ったがそんなわけはなく、岩屋町の集落を避けて片側1車線の道路ができていた。この「バイパス」が本道と合流するともうその先は天理東ICである。
ここが天理東IC。トラックやダンプが交差点内にもかかわらず「ドカッ」と我が物顔で駐車していることがあり、こんな看板が置かれている。右手(北)に立派な道があるが、これはシャープの工場の方へ行ってしまう。左に曲がれば名阪国道の入り口があり、その先は r51(天理環状線)で天理市街へ西から入ることができる。R169 はよく混むので裏道によく使われるルートだ。ここの r51 はまともなのだが、ほかには非常識険道区間もある。これはまた別のコーナーで紹介したい。
r192 はここからR24・25交差点まで続くのだが、勾配区間はここまでということでしめさせていただく。R25(天理ダム)に比べると遥かに短い距離だが、通過に時間はかかる。しかも夜間や悪天候時には結構危険という条件付きだが、一応抜け道にはなりうるレベルの道路であると思う。ただし、私の判断基準は R308 と比べてなので、世間一般の常識からずれているかも知れない。